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デザートナイフに殺意をこめて ~『Equal-イコール-』感想~

みなさんこんにちは。秋見鳥です。

本日は、新宿シアタートップスで大絶賛公演中の『Equal-イコール-』を観てきました。

 

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もう情緒がぐちゃぐちゃのメッタメタですが、感想を書いていきたいと思います。脚本が最高すぎる。俺たちは末満健一に生殺与奪の権を握られている。

 

※ここからネタバレがあります。

未見の方はブラウザバッグ推奨。

あらすじの説明とかありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女と女の家族でもない、友情でもない、百合でもない感情の、泥沼ぶつかり合い地獄へようこそ。

それでも終始お耽美なところが最高に好き。

 

ニコラとテオ、2人の女の子が同居している中で、片方の役者がニコラを、片方がテオを順番に演じていく。

神は7日でこの世を作られた。女は7日で人間を作ろうとする。人が神になる、或いは神を演じようとするというテーマも大好きだ。

しかし、そんなに簡単に行くはずもなく、日を追うごとに狂気が露見していく。1日が切り替わる証としてテーマ曲が流れるのですが、段々と不協和音が混ざりリズムが崩れ、破綻していく演出が最高。あと照明の演出もすごい凝っていて、天井から下がる電灯の点滅とか練られていると感じました。注意して見たかったのですが、話の筋を追うのに集中してしまい、あまり把握できませんでしたね。この辺りは円盤召喚するしかないな。

 

一週間の7という数字も象徴的で、完成したテオは7人目のホムンクルスなんですよね。何気ない錬金術の会話や、些細な質問、異端審問のエピソードなど、伏線の張り方と回収が上手すぎる。脚本ほしい。

 

田村芽実さん、めがねさん両方とも演技が最の高で、本当に、期待以上の鬼気迫る芝居のせいで情緒がぐちゃぐちゃですよ。まじで。

田村芽実さんがすごいことは知っていたのですが、生でお芝居を拝見したのは初めてで、何というか、映像とは迫力が違うなあと感じました。やっぱり田村芽実はすごいや。

また、めがねさんのことは今回の舞台で初めて知ったのですが、声がすごく素敵で演技も素晴らしかったです。台詞が聞き取りやすかったのがよかった。6日目のシーン毎公演涙流せるのやばくないか。役者ってそんなもんって言葉で片付けるのはもったいないなあ。

 

あとお衣装が、めちゃくちゃかわいい。ロングスカートの下にパニエがふわふわしてるところとか、ブラウスのリボンとか。二コラとテオの切り替えがジャケットというのも素敵で、そのジャケットもボタンや裾が少しひらひらしてるのがすごくかわいかった。日を追うごとにテオが身に着けていたコートやマフラー、ジャケットの扱いが雑になっていくのがすごい。最後穴に投げ入れてましたし。

 

舞台装置も、真ん中に役者が出入りする穴があるの、面白かったですね。ひょこっと頭が出てくるのがかわいかった。

 

女と女、友達よりももっと大切な、でも恋人や家族とは違う、何か言葉では表せない関係。2人の生活はどう頑張ってもいつかは終わるものだとは思うのですが、そのきっかけの1つとしてヨハンという異性の存在が出てくるのはある意味象徴的だと思うんですよね。そうだよな、神は男と女を6日目に作られたもんな。こんなお話、女性によくあるどこかねっとりとした、尾を引くような感情がないと成立しないような気がするのですが、もとは男性2人芝居だったんですよね? それはそれでいつか観てみたい。

 

ラスト、持ち手にかわいらしい装飾がついたケーキしか切れないようなナイフで、ひらひらふわふわのかわいらしいお嬢様方が、本気の決闘をするシーンは鳥肌しか立ちませんでした。本当に観に来てよかった。そしてあと100回観たい。