何かに狂ってる

独り言ログ置き場です。

見てろよリア充ども、これが喪女のクリスマスだ~便所戦争2023~

彼氏いない歴=年齢。

子どものころはそれはただの言葉だと思っていた。今はいなくてもいつかはできるものでしょう。その称号が何になるの?

大人になった時、自分に跳ね返ってきたその言葉がこれほど深く人を傷つけるものだとは思わなかった。いつかはできる、そう、いつかはできる『はず』だった。思春期特有の自意識と傲慢さを振りかざし、青春時代は棒に振った。気が付くとアラサーと呼ばれる世代になり、いつの間にか干物という言葉が似合うようになっていた。モテない女、喪女という言葉を知り、なんて自分にぴったりなのだろうと思った。スーツを着て、パンプスを履いて、社会人をやっている振りをしているけれど、心は少女漫画に憧れていた12歳に取り残して来てしまったような気がする。大人という自覚がない。サンタは未だにいると思っているし、今年は来なかったけれど待っていればいつか枕元にプレゼントを置いてくれると信じている。

そもそも世間の大多数の人に「見てろよリア充ども」と呼びかけるあたりから子どもっぽい。いい大人なら「リア充」「非リア」という線引きはしないものである。

 

つらつらと書いてきたけれど、上記のことはどうでもいい。大切なことはただ一つ。

そう、トイレである。

 

※ここから先、下ネタがたくさん出てくるので苦手な人は注意

 

思えば昨日、24日の夜からそのきざしはあった。

昨日は昼間から出かけていた。夜、帰宅して寝る前に用を足そうと、便座の蓋を開けた時に違和感を覚えた。

トイレットペーパーが中に残っているのである。

用を足した後レバーを引く。それはもう呼吸するように刻み込まれた習慣だ。忘れたとは考え難い……が、まあそんなこともあるだろう。深く考えずにいつも通りに便座の蓋を閉めて水を流した。

そう、便座の蓋を閉めてしまったのである。

かの感染症が流行って3年、感染症対策の一環として蓋を閉めてから水を流したほうがよいと言われていた。暖房便座の蓋を閉めておけば、電気代が浮いて一挙両得。蓋を閉めてからレバーを引いて、そのままトイレを出る、という一連の行動もまた、体に刻み込まれてしまっていた。これが発見が遅れた原因となる。

 

25日、朝。当然のようにサンタは来なかった。「ポケモンスリープ」というソーシャルゲームで限定のサンタピカチュウが出現していたはずだがこちらも来なかった。後者は運なので仕方がない。いやぁ、サンタピカチュウ捕まえたかったな!

眠い目を擦りトイレへ向かった。便座の蓋を開けた時、眠気は冬空の向こうへ吹き飛んだ。

便座の奥に、紙が残っている。

嫌な予感がした。昨晩はちゃんと流したはずだ。恐る恐る、レバーを「小」の方向へ傾けた。

普段なら音を立てて勢いよく流れるはずの水が便座の中に滞留し、一時的に水位があがる。見ているうちにゆっくり水が引いていく。いつもならこんなはずはない。ジャー、ガーっと勢いよく水は流れていくはずなのである。

背中を冷汗が流れた。独身女子一人暮らし、賃貸、原因は自分しか考えられない。とりあえずスマートフォンを取り出して『トイレ 詰まったら』で検索。検索結果の記事を読みながら、最近何を流したか振り返る。

 

考えられる要因は二つあった。

 

一つ目。一週間ほど、実に見事なう●こが出た。運動不足と不摂生のために便秘気味な私にしては大きく太く立派なう●こで、おお私にも健康が残っていたんだと感動した。我ながらほれぼれした。あまり柔らかくはなかったような気がする。あれほど大きく硬いものなら、詰まってもおかしくない。

二つ目。今日は生理4日目だ。ワールドワイドウェブに載せるものに生理周期を書くべきではない気がするが、自分用の備忘録として書いておこう。さすがに私も流してよいものと流してはいけないものをわきまえているので、生理用品を流した、という可能性を普段なら一笑に付すのだが、今回はそうは笑い飛ばせなかった。周期が遅れてきたせいで、普段よりも重かったのである。生理痛が辛くて頭痛薬を飲んだのも久々だし、貧血の症状もあった。正常な判断力が確実に削がれていた。無意識のうちにトイレットペーパーを巻いたナプキンを流していたと言ってもおかしくはない。トイレットペーパーをいつもより多めに使ったかもしれない、程度ならよいのだけれども、ナプキンを流していたら笑えない。生理用品は水を吸うので、自己解決は難しい。

覚えていない、というのが一番怖い。水道業者と言えばとんでもない高額を請求する会社が多いことで有名だ。万が一変な業者を引き当ててしまったらどうしよう――というより、この年末の忙しい時期で、来年まで業者が来れないとか言われたらどうしよう!

 

Googleが紹介した記事によると、ペットボトルですっぽんの代わりができるらしい。ひとまず手元にあったペットボトルの尻を切り落とした。記事に書かれたとおりに、便座の流し口で動かしてみる。じゅっぽ、じゅっぽ、じゅっぽ……これ本当に効果あるんですか? 疑惑が脳を掠めたところで出勤時間となる。休もうかとも思ったが、今日は会社の人とランチの約束をしていたのを思い出した。忙しい人とのランチの約束は他のものには代えがたい。

仕事中も頭の中はトイレのことでいっぱいだ。会社で用を足して水を流しながら、ああ、本当ならこういう風に流れていくはずなのだな、と考えた。水道業者の見積もりを見て、詰まり解消2万、2万……払えないわけじゃないけれど、さすがに痛い出費だなと懐を押さえた。

定時になった瞬間、鞄を持って会社を出た。保育園へ迎えに行かなければならないママさんや彼氏との約束がある後輩をおきざりにして電車に乗った。近所のスーパーに立ち寄って必要な物品を購入した。

 

すっぽん、2000円。ゴム手袋、300円。スモークサーモン、15%オフの値札が付いて300円。

 

見ているか、満員電車の扉の前でホームに降りず指を絡ませるカップルどもよ、若者の独身率の高さを嘆く高齢者たちよ。これがクリスマスである。喪女はケーキなんて買わない。鶏肉も買わない。そんなものは店が空いている別の日に買えばいい。トイレ詰まり解消のための、すっぽんとゴム手袋。これが結局のところの現実なのだ。

きっと、彼氏のいたことのある女の子は、たとえ一人で過ごすとしても、ちゃんとその季節っぽいことをするんだろうな、と帰り道に歩きながら考えた。少なくとも、クリスマスという意味のある日は、やはりそれ相応のものを買うだろう。きちんとメイクをして、髪を巻いて、ネイルをして、明日の自分のために努力をする。クリスマスにはケーキとチキンを買ってきて、そっと写真を撮る。そんな人がきっとモテる人と言うんじゃないだろうか。

舞台のチケットの発券が始まったので、帰りにファミリーマートに寄った。ファミチキを買おうか悩んだけれど、結局チケットだけ受け取って店を出た。

 

一日中頭を悩ませた水洗トイレは、すっぽんを押し付けて何度か動かしたら案外あっさりと直った。洗面器の水がなくなり、レバーの水が正常に流れた時、感動のあまり泣きそうになった。どうしても直らなかったら明日会社を休んで、電話して……、という計画は全部杞憂に終わった。

水は流れるようになったが、結局詰まりの原因はよくわからなかった。すっぽんに吸い付いてくるかと思ったがそんなこともなかった。まあ流れたのでよしとしたい。勝利のスモークサーモンは美味しかった。先日買っておいたお酒を冷やしておけばよかったと思った。

 

ここで今一度時系列を整理してみよう。

一週間ほど前、立派なう●こを出した。

生理は4日前から続いている。

トイレは昨日から詰まり始めた。

……流れるようにはなったが、生理用品が原因だった可能性は依然として否定できない。心なしか、水の流れが詰まる前と比べるとまだ緩やかなような気がする。

しばらく様子を見るしかない。来月あたりまたどこかで暴れていたら、ああこの子のトイレは壊れてしまったんだな、と哀れんでください。

 

タイトル元ネタ

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