何かに狂ってる

独り言ログ置き場です。

文学フリマ東京大感想大会 その2 ~深夜アニメの録画消化が終わらない、の巻~

おはようございます。秋見鳥です。

 

相も変わらず楽しく「原神」をやっています。冒険ランク37、遂行可能な魔人任務と世界任務は終わらせたのであとはひたすら育成をしていくだけです。しかしこの2国だけでもだいぶ楽しいんだが、残り5国も大丈夫か? 上がったハードルが下がらない。

 

さて、ようやっと去る2021年5月16日に行われた文学フリマ東京の戦利品を読み終わったので感想を書きたいと思います。積読消費に時間をかけすぎなの、もう少ししたいですね……というか現状消費<購入になっているのなんとかしたい。

 

※作品のネタバレがあります。

※作品名・サークル名に誤り・問題があった場合はコメントにてご連絡ください。
※順不同です。

 

 

 

ランリッツ・ファイブ 様「ランリッツ・ファイブ」

今を時めく5人の歌人の歌集。お互いの歌集を読みあって批評しているのが面白い。個人的には田宮智美さんの歌が好きでした。なんとなく陰鬱なものが奥深くにありそうなところがすごく良いと思います。

 

石岡良治 様「Merca Books | Yoshiharu Ishioka 石岡良治論集『超』アニメ視覚文化論」

アニメに関する批評集。一つ目の「レイヤー合成についてのメモ」での「アニメにかかわる理論的・批評的な試みは今なお多くない」という言説になるほどと思った。確かにあまり見ないかもしれない。提供絵を批評として考察するのは独特で面白かった。

 

G-W-G編集委員会 様「G-W-G 05号」

コロナ禍の帰省のエピソードや、天皇の「お気持ち」を尊重することが「赤子ヒューマニズム」に繋がるという、前文の言葉に非常に共感し、確かにと思った。ただし論文は骨太でよくわからない箇所が多かったのでもっと勉強しなくちゃな。

 

全日本中高年SFターミナル 様「SFファンジン 第63号」

収録されていた薬袋摩耶様「ハートカービング」が非常に面白かった。木彫りの心臓、危険生物の住む惑星というモチーフの使い方が非常に上手く、世界観やストーリーに引き込まれた。巻頭の夢枕獏の言葉もおどろおどろしく面白かった。

 

全日本中高年SFターミナル 様「SFファンジン第64号」

眉村卓のことはかなり前に読んだ「ねらわれた学園」でしか知らず亡くなったというのもこの本で知った。追悼文を読むとほかにも珠玉の物語が勢揃いようなので読んでみようかと思った。

 

クライテリア編集部 様「クライテリア4」

さわやかさんの短編が気になって購入したのだけれど、新海誠の「天気の子」に対する批評に納得する。フィクションに必ずしもメッセージ性を込める必要はないと考えてはいるけれど、それでもメッセージ性のある作品のほうが見ていても面白い。「批評されるタイムラインがない」というのは、前述の石岡良治氏が語る「アニメの批評はまだ多くない」という言葉に繋がるようにも思う。

 

クライテリア編集部 様「クライテリア3」

「これは演劇ではない」という演劇祭をテーマにインタビューを収録。演劇祭には立ち会わなかったが、どのような演劇人が今注目されているのかを知ることができたのがよかった。演劇の声についての佐々木敦氏の言葉も日本の戦後演劇史を俯瞰することができて面白かった。

 

伊藤螺子 様「UFOを待っている」

切なさとノスタルジーの詰まった3編を収録した短編集。奇妙な宇宙人との邂逅と、急に帰ってきた叔母との確執を描く「UFOを待っている」。二編目「ナインライブス」はゲームの奇妙さに惹かれている間に過去と現在、夢と現が入れ混じる不思議な感覚を味わえる。「銀の匙」はUFOによって荒廃した世界をさまよいながら今ここにいない人のことを思い浮かべる。 

 

狂った歯車堂 様他「Feeling~これが僕らのロックだ~」

ロックをテーマにした短編集。ビートルズについて書いている短編が多かったので、やはりロックの中ではメジャーで偉大なのだなと思った。失恋をしたOLと駅前で弾き語りをする青年が出会う西木眼鏡様「街かどロックンロール」が一番印象に残っている。

 

ノック 様「民俗学は好きですか? vol.1」

民俗学、さすがに柳田国男遠野物語」くらいは知っているけれど、それ以上のことは詳しくない。短く簡単な文章で、日常のごく近くに存在する民俗学を紐解く。今では眠らない大都会となっている新宿が、かつては表舞台に立つことない、彼岸に近い都市であったというのは驚きだった。

 

またたび七転 様「毎日がエブリデイ」

一週間をテーマにした短編集。どれも琴線に触れるものがあり面白かった。特に好きなのは鴨橋様「金曜、我等は魔女となる」と洲崎尚様「Sunday Evening」。前者は出会いと別れ、その間の有限の時間の描き方が非常によかった。どうかこのまな時が止まってほしい、そう願っても幸せな時間は過ぎていく。後者も高校生という有限の時間を描く中では共通。高校生の甘酸っぱい恋が印象に残る。

 

エアミステリ研究会 様「非実在探偵小説研究会~Airmys~21号」

非常に面白かった。前半の小説集は、「変格ミステリ」というタイトルの通り、超現象やファンタジーを織り交ぜたちょっと変わったミステリが詰まっていて、どれも引き込まれるような文体で面白かった。また後半には今面白いミステリ作品が小説の媒体にとどまらず多数紹介されているので、ミステリ紹介本としても天下一品。ひとまず紹介されている作品を読み漁りたいと思います。

 

購入したものも上記で終わりなので大感想大会は今回で終了です。皆さんお疲れさまでした! 梅雨の湿気と夏の暑さに負けないよう、ご自愛ください。