何かに狂ってる

独り言ログ置き場です。

第31回文学フリマの戦利品の感想記録~その2~

こんにちは。秋見鳥です。

 

去る11月に行われた文学フリマ東京、そこであほみたいに買ってきた同人誌の感想を書く第2回です。

 

↓第1回の記録。

aki-mi-tori.hatenablog.com

 

ゲームのほうが楽しくて読書と勉強がはかどらないため戦利品を読むにもこんなに時間がかかってしまいました。なんてこった。

 

※作品のネタバレがあります。
※作品名・サークル名は奥書を参考に細心の注意を持って記載していますが、万が一誤り・問題があった場合はコメントにてご連絡ください。基本[サークル名(記載がない場合は作者名)「タイトル」]と記載しています。
※順不同です。

 

 

翻訳ペンギン 様「翻訳編吟 6」

翻訳短編集。表紙の青色とペンギンのイラストがかわいい。印象に残ったのはモンゴメリ作、大澤聡子様訳「ダベンポートさんのはなし」とモーガン作、澤田亜沙美様訳「風の妖精」。特にモンゴメリ赤毛のアンしか知らなかったので興味深かった。少し不思議な話なのがよい。

 

芒羊會 様「ある羊飼いの友人 おかわり」

設定が共通するキャラクターを必ず登場させて短編を書くという趣向が面白い。設定が同じなのにやはり書く人によって少しずつ違うキャラクターなのが新鮮な感じがした。全体のまとまりもよく、アンソロジーとしても満点。ところでリフティング高校生とタイムトラベラー女子高生が古今東西の英雄と蹴鞠で戦うSFはどこですか?

 

印税生活社 様「戯言な愛。そして夢の中」

終末をテーマにしたSF短編。期待を背負いながらも決して避けることのない終わりを知ってしまったら、享楽的になってしまいそうな気はする。ラストの逆転は、伊藤計劃虐殺器官」と似たところがありますね。

 

印税生活社 様「普通の男」

「普通」と「異常」が入れ替わる瞬間を鮮やかに描く短編。私たちは動物園で象を見ているのか、象に見られているのか。ツノの生えた人間はまるで侵略者のようだな。何か具体的な害があったわけではないけれども、気が付いた時には既に「普通」が失われていた、というのが面白いと思う。

 

しぶたさえこ 様「僕たちの休日」

装丁の紙質が好きです。優しい絵本でありながら「墓」などの闇のある要素をちりばめるのが巧み。アナログ調のイラストも素敵でした。

 

久遠マリ 様「上手に焼けました」

恋なのか、友情なのか、家族なのか。すべてを失った騎士をパン屋の少女の物語。パンの描写が美味しそうでよかった。イケメンは世界を救う。

 

ぬばたま 様「ぬばたま 第五号」

日常のワンシーンを切り取ったもの、抽象的な観念を描いたものなど、バラエティに富んだ短歌集で良かった。「青」というテーマで詠む短歌に、Windows10を思い出す発想はなかった。「既刊連作評」のコーナーでは短歌の作者の目線がわかって興味深かった。暗い物から明るい歌へと並べる、など、読む時は何となく読んでしまうけれど、書き手が何を考えているか垣間見えて面白かった。

 

日々の読書会 様「日々の読書会通信 vol. 1」

読書会には1度だけ参加したことがあるけれども、その時のことを思い出した。収録されている本も読んだことがない物ばかりだったので、レビューとして面白かった。参加してもみたいけれどオンラインは気が引けるな……。個人的に衝撃的だったのは「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。あとで読もう。

 

文芸創作ほしのたね 様「ほしのたね vol. 16」

寝食を忘れて延々とゲームをやってしまう癖があるので買った。王道RPGに限らず、TRPGなどのバラエティに富んだ物語が収録されていて面白かった。ゲームブック形式の「マティーニ」が面白い。「ゲームはプレイヤーが自分の都合のいいようにルールを作ってはいけない」という原則が小気味よい。

 

少女こなごな 様「MERRY HAPPY END」

赤い表紙が目を引いて購入した一冊。デタラメ・リトル・ヨーロッパの骨董屋さんで、イケてるおっさんと勝気なみなしご美少女が家族になる物語、という設定だけで想像が膨らむ。「大人の童話」というテーマがぴったりの物語だった。ココアも機会があれば作りたい。

 

予定ではあと1回で終わるつもりです。2020年が終わる前には全部読んで書くぞ!