何かに狂ってる

独り言ログ置き場です。

刀ステの話、というよりほぼステアラの話


刀ステ、こと「舞台刀剣乱舞 天伝 蒼空の兵―大坂冬の陣―」を見に行く。

 

刀剣乱舞というゲームはやっていたのだけれど、舞台に行ったことはなかった。チケットが高いと思っていたのもあるけれど、気がついた時には2作目、3作目をやっていたので、話が分からなそうというのもある。2.5の雰囲気が最初は苦手だったのも大きかった。しかしそれらの悩みはすべて昨年5月の無料配信で払拭される。ストーリーがよすぎるんですよ舞台刀剣乱舞。最高かな?

 

そんなわけで、刀ステの現場は初めてである。夕方の公演だというのに、昼頃にはステージアラウンド東京に到着する。

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……プレハブ小屋?

 

いやなんか形とか……無駄のない実用的なデザインというか……無機質というか……

ちなみに早く到着したので、昼公演の音が微かに漏れていた。おいおいそれで劇場を語ろうなどちょっと分が過ぎるんじゃねえか? なーにが360度シアターじゃと謎の反骨精神が生まれる。

 

入ってからも幕が上がるまでステアラくんへの不信が募っていく。しばらくステアラくんの悪口を言わせてくれ。

 

外側も微妙だったが中身もなかなか酷かったステアラくん。動くし風が吹くと聞いて映画館の4Dみたいなしっかりした椅子を想像していた私もよくなかったとは思う。座席と座席の前後感覚狭すぎませんかね……? 奥の席の人が頭を下げて前を通る時に膝を横にずらすだけでは通れず、立ち上がらなければならないのはもはや欠陥では? なるほど、私がおデブだからですかそうですか……

あともう少し座席に傾斜がほしい。舞台見るのに、席にしっかり座っても前の人の頭が気になるってのは、被るってのはどうなのだろう。やはり欠陥なのでは?

なるほどこれが音に聞くステアラくんかと納得。きっと動くという能力を手に入れた分普通の劇場が持つ観劇の快適さを失ってしまったんだな。等価交換だね可哀想に……。後ろの方で、ボジション0が前の人頭で隠れてしまっていましたが、席そのものは悪い場所ではなかったです。

さあ幕が上がるって暗くなってからも足元の誘導灯がついていてつい気になってしまうのもどうにかしてほしいとは思ったが、これは安全のために仕方ないか。

 

以上が観劇前にとりあえず時間があったので8割方を書いた、ステアラくんの悪口ターンです。ちなみにこの後20分しかない休憩時間に一か所しかないトイレ待機列に悩まされることになる。ここだけの話、ステアラくんトイレはもう少しどうにかしたほうがいいよ。客席から続く待機列が物販出てきた人と途中で合流するってのはどうかと思うよ。個室の数は少なくないはずなんだけどねえ。

 

以降は観劇後に書いた文章になります。かなり下げてしまいましたが、今から褒めるのでよろしくお願いします。

 

ステアラ、最大の特徴は、動くという点なのですが、180度の視界の170から160度くらいをステアラくんの舞台が占めることになるんですよ。

舞台というのはどうしても空間に制限があって、その中でどうやるかというのがひとつのおもしろさであることは確かなのです。だがその制限がなければなあと思うことも多い。それを超えてられるのが360度シアター。視界の隅々でドラマが生まれる。縦に制限があるのは通常と同じ(むしろ普通の舞台より天井が低く感じた。気のせい?)でも、横の広さは観客によそ見を許さない。何しろ、よそ見をする隙間もないほどいっぱいに舞台が広がるのですから! 観ていて思いました。なぜ、私の目は人の目なのだろうと……ヤギの目がほしい。舞台の全てを見渡せるヤギの目が……!

そして、舞台転換の際には舞台を回せばよいので、複数の大掛かりのセットをいくつも使えるのは最大の利点。舞台を円形に覆うスクリーンがあるので、暗転の隙がないというのも見事でした。刀ステは以前の作品からプロジェクションマッピング等活用していましたが、今回もすごかった! 舞台とリンクした映像が本当に最高でした。

ごめんねステアラくん、欠陥劇場とか言って……お前は非常にエキサイティングな舞台を提供してくれる劇場だったよ。君にしかできない演出、舞台があるんだってことがビシバシ伝わってきたよ。本当に、舞台が迫ってくるような、唯一無二の経験ができるのは君だけだし、「大坂の陣」と言いつつ大阪でできない理由も十分に理解できたよ。だからどうか私を嫌いにならないでおくれ……私との縁を切らないで、次回作の席ください……。

 

ここから少し舞台の内容に踏み込んだ話。ネタバレあります。 ストーリーの解説なしです。

 

 

国がガッタガタ揺れる音がした……ガッタガタにしてやんよって態度が全身に溢れていた。優雅さと腕力の最強コラボ、これが傾国の刀……もうお前が楊貴妃でいいよ

やめてくれ そのチラリズムは 俺に効く(辞世の句)

なんですかあの太ももの絶対領域。最高かな? 最高だな。

コミカルダンスシーンといい終始動きが大きくて元気な短刀の役柄が際立つのがよかったですね。確かに今回、大暴れするタイプの子いないもんね。今回の大坂の陣は本丸時系列的には少し昔の話とのことで、本来なら本丸には実装されていないはず。なるほど、未来の本丸の刀という設定は上手いなと思いました。 袈裟の裏がカラフルなのもよかったです。

  • いち兄の圧倒的強者感

先週腰を痛められたと聞いて心配していましたが、動きの少ない演技が逆に強者に見えて驚いた。これが粟田口ロイヤル……! 圧倒的ロイヤル……!

加州が行動する際に、「歴史ではこうなるはずだから俺たちはこう行動しなきゃ」と話すのがすごく加州清光っぽかったですね。確かに加州はこの時代にはまだ存在していないのだから、彼にとって此度の戦はある意味書物の中の出来事のようなものなのだろうな。だから、歴史に対する行動が教科書的なものになる。加州が出陣するとだいたい幕末の彼の情緒を揺さぶる時代に飛ばされているような気がするので、落ち着いた姿を見れたのは新鮮でした。本丸の未来を知らなくてもいいと冷静に言えるのは君だけだろうよ加州清光。コートの裏の模様がひらめくのが綺麗だった。世界一可愛いよ!

  • アンサンブルさんのすごさ

アンサンブルの方や時間遡行軍も殺陣や見せ場がすごいいいんですよ!!!!!

さりげなくバク宙をしてるのにびっくりした。そんな……軽々とバク宙を見せてくれていいんですか!? これは推測ですが、衣装を替えて登場したり場面が変わっても別の人物として出続けなければならないはずなので、刀剣男士より大変なんじゃないかと思います。すごい。倒されてくださりありがとうございます。あと敵脇差さんがいたのもすげーと思った。あの衣装よく考えたな。

「物は手から形作られる」なるほどー確かにそうだがそう使うかというのに唸らせられる。さすが刀ステ。凡人にない発想を与えてくれる。

とは言え、ただ登場するだけでは意味が無いので、何かしらの伏線になってるんじゃないかなと予想。これは無根拠の憶測ですが、刀ステ本丸の審神者の腕なのでは? 時空SFでは時間操作がどうともなるのが魅力ですね。考えるのが面白い。

凡人にはない発想と言うと弥助が「刀剣男士もまた奴隷」と言ったのはなるほどなと思いました。歴史を守る時間の奴隷であり、審神者の命を受ける奴隷であると。ともすると審神者がやっていることは正しいことなのか? まあゲームなんでそういうものなんですけどね。

  • 何者であるか

『秀吉の息子』である豊臣秀頼、『軍司昌幸の息子』である真田信繁、『秀吉の刀であり、粟田口の兄』である一期一振、『山姥を切った刀の写し』である山姥切国広。これらの肩書きや逸話がなくとも、己は己でいられるのか? というのが幾度となく問われる本作。自己に、他者に対して「何者」と問う言葉が頻繁に登場する。与えられた肩書きを受け取るか拒むか、受け入れたところでどう生きていくか。逸話や肩書のないものがどうやってそれを手にするのか。秀頼はコンプレックスであった秀吉の息子というのを誇りに変えた。常に「○○会社の××です」という名乗りを強いられている我々にもこれらの問いは突きつけられているわけですね。へー(適当まとめ)

  • 舞台映像

映像、全部よかったのですが第二幕序盤の家康・秀頼のモノローグシーン、背景映像は冒頭と同じ家紋の映像で、中央に藤の家紋を持ってくるのはさすがだなと。登場しないというだけで、存在感で場を支配する黒田如水よ……

  • 次回作に向けて

「歴史改変により欠けた穴を刀剣男士が埋める」どこかで聞いた展開だな。おや、これは風車の音……。

とは言え、そう簡単にはいかないはず。一捻りしてくれることでしょう。「政府により送り込まれた」「どこの本丸でも三日月宗近は厄介」という発言も気になるところ。どうにかこうにか長きに渡って因縁のあった弥助を退けたところで、次なる強敵、阿・吽がどう出るか、今回の物語を経験した家康と秀頼が大坂夏の陣をどう進めるのか。期待は高まるばかり。

「お客様のお席はご用意されました」というメールを受け取るために功徳を積むしかない。まずは手洗いうがいマスク着用、花札を集めて自粛生活。俺は大坂夏の陣を見に行くんだ……夏の陣を見届けに行くんだ……!

 

以上、観劇の勢いで綴る刀ステ鑑賞記でした。観に行けて本当に良かった。ありがとう刀剣乱舞。ありがとう舞台のスタッフさんたち。ひとまず真田の二振りについては入手しただけで何もしてないので、これから勉強します。

 

stage-toukenranbu.jp