何かに狂ってる

独り言ログ置き場です。

月蝕歌劇団「陰陽師 安倍晴明ー最終決戦ー」を拝見してきました。

こんにちは。秋見鳥です。

悩みの尽きない昨今です。

覆水盆に返らず、後悔先に立たずとは言いますが、どうにもならないことをくよくよと考えてしまう性格です。不相応にも買ってしまったハイスペックPCとスマートフォンとか、そのせいで消えた貯金と今後遠い未来に起こりうる出費の問題とか、毎日筋トレしても一向に変化しない腹の肉とか……

そんな気持ちを抱えながらチケット買ったので観に行ってきたわけです。月蝕歌劇団の「陰陽師安倍晴明―最終決戦―」を。

 

gessyoku.net

 

そしたら悩みなんて吹き飛ぶほど素晴らしくて明日も頑張ろうという気持ちになったので感想を書きます。

 

==========================

この先、公演のネタバレがあります。

==========================

 

 

いやもう最高だな。

もともと寺山修司が好きで、彼の氏の作品の世界観に興味がありました。月蝕歌劇団高取英氏とJ.A.シーザー氏という、寺山修司の息のかかった2人が関わる劇団ということで、何かその片鱗に触れられればいいなと思ったのが観劇のきっかけです。

荒唐無稽でスピード感のある展開、それでいて随所に挟まれるギャグやパロディは、確かにその目的を果たしました。伏線もへったくれもなく目まぐるしい場面転換と新事実が明らかになる展開。そうそう、これだよ。私が見たかったのは、何が起こるかわからない、そうはならんやろとツッコミを入れる間もないカタルシスに満ちた物語……!

音楽は一小節でわかるJ.A.シーザー氏。「少女革命ウテナ」がもともと好きだったので、なんとなくその雰囲気があるなあと思いつつ聞いていました。ストリングの利かせ方やベースの入れ方、リズムの取り方が特徴的な気がする。音楽詳しくないからそれ以上はわからないけれど。

役者様たちの演技も素晴らしく、特に序盤、晴明の妻梨花芦屋道満の手籠めにとられるシーンのダンスでは鳥肌が立ちました。主役の晴明の人はきりりと通った鼻筋のイケメン度はさることながら、発声がとてもきれいでさすが主役と思いました。みなさんとにかく美人さん……! あと「そうだ、エジソンの助手にはチャイナドレスを着せよう!」と考えてベスにチャイナドレス着せた人天才だと思う。なんで安倍晴明芦屋道満の最終決戦にエジソンが立ち会ってるんだろうね、僕もわからないや……。

映画や小説にはない、論理を超えた物語こそ演劇だなと、改めて感じました。最初のシーンで下手側で毬を操っている人が何者かとか、さっぱり説明できないけれど、なんとなくすごいことが起きているような気がする。帰りの電車の中で体が打ち震えて、なんとなく泣きたいようなそんな気分になりました。終始ハラハラドキドキ、させられ、なによりずっと見てみたかったアングラな雰囲気に呑まれた名状し難い感覚に全身が震えました。よいものを見た。生きててよかった。これで明日も頑張れる。

結局問題は何も解決していないのですが、何とかなるような気持ちが湧いてきました。
次回の公演も、ぜひ見に行ってみたいものですね。